パイオニア private XDP20 試聴レビュー 日本メーカーの高音質DAP
Pioneer private XDP20 パイオニアのデジタルオーディオプレーヤーのレビューです。
日本メーカーのDAPというのは少ないです。SONYのWALKMANを除けば、ほとんどが中華か韓国です。
その中で、ONKYOとPioneerが高音質DAPを出してくれました。
聴いてみると、Walkmanよりもフラットで性能がよく、正直感動しました。日本メーカーらしい、真面目な音作りだと思います。
値段もさほど高くない、高性能のDAPを出してくれたこともありますが、ポータブルオーディオファンとして、日本のオーディオの大御所がDAPを出してくれたことには感謝しかありません。
XDP20の音質
音色の特徴
特徴としては、フラットで中庸的です。WALKMANは、SONY独自の音作りが感じられたのに対し、XDP20は原音に忠実で正統派のように感じられます。
全体的に、暖色系で柔らかめの音質です。
解像度は高いですが、音楽性が高く、音楽のバランスをとることを重視しているため、目立ちにくいです。
アンバランス接続では、ドライブ力はDAPにしては高いですが、高価なヘッドホンアンプまでは至らないといったところでしょうか。ほとんどのイヤホン、ヘッドホンでは問題ないのですが、一部の能率の低いヘッドホンでは、やや鳴らしきれないところもあります。
しかし、バランス接続にすると、駆動力は大幅アップするようです。ヘッドホンアンプはかなり高価なものでないと音質アップに繋がりません。
「Balanced」と「ACG」モード バランス接続
オンキヨーと、パイオニアのDAPには、BalancedモードとACGモードという駆動モードがあります。
ACGモードよりも、Balancedモードの方が駆動力があるという違いはありますが、音質の特徴はパワーアンプでいうと、BalancedモードがA級アンプで、ACGモードがAB級、D級アンプという印象があります。
Balancedモード
Balancedは、いわゆる普通のバランス接続です。
別々のアンプ、増幅機を使うことで、アンバランス接続、シングルエンドに比べてパワーがあります。
また、大きい電流が流れるところと、信号を出すところを分けることにより音が混ざることを防いでいます。
暖色系で、音場が広いです。駆動力が高いこともあり、余裕を感じ、安心感があります。
音の艶や色気の表現をすることが得意な印象です。
ACGモード
ACGモードは2つのアンプのうちの1つを重視し、パワーを注ぎ込むに安定させるということで、別のサウンドに変化します。
しかし、駆動力は、アンバランス接続、シングルエンドと同じですね。
聴いてみると、寒色系の音に変身します。クリアで透明感のある音になりました。音が引き締まります。
定位がかなりよくなり、ボーカルの口が小さく見えるほど、どこで、何の音、楽器が鳴っているかはっきり分かります。
空間表現力
アンバランス接続では、音場が広く、心地いい音楽が楽しめる反面、定位はそれほどではありません。
しかし、バランス接続にすると、音場も定位も良好になります。
Balancedモードでは、音場が広くなり、定位も明瞭になります。空間は、左右にも上下にも広いですが、何より奥行きが広くなります。
立体的なサウンドは、まるで生の演奏を聴いているようですね。
ACGモードでは、音場はBalancedモードよりもやや狭くなりますが、定位はよりハッキリします。
音像が揺らがなくなり、音の出処が小さくなります。モニター的用途にピッタリでしょう。
音楽のジャンル
なんでも合うと思います。BalancedモードとACGモードが選べるのは良いですね。
もちろん好みや気分で変わるのですが、自分だったら打ち込み系や、ロックなどのスピード感が欲しい時はACGモード、それ以外はBalancedモードにします。
アンバランス接続でしたら、クラッシックやジャズなどのアコースティック系はWALMANよりも得意だと思います。
音域
フラットだと思います。ポータブルオーディオではドンシャリ系が多いですが、private XDP20はバランスが良いですね。
高域
良く伸びて、自然な音です。味付けがあまりないので、安心感があります。
中域
中域はパワー感があります。WALKMANよりも重視されている印象で、ボーカルの音が良いですね。
低域
量感も質感も良好ですが、上位機種と比べると差を感じますね。
バランス接続にすると、性能がかなり上がりました。
XDP20の使い勝手
写真で見るより、実物は小さくて軽かったです。
デザインは良いですね。丸みを帯びていていかにも機械という感じを軽減してくれます。
充電は、アンバランス接続時は15時間ほどです。バランス接続では電池の減りは早くなりますが、一日で使い切るということはないでしょう。
UIは、最初は使いづらい印象でしたが、アップデートが度々あり、アップデートを経るたびに良くなっていきます。
音楽を楽しむには十分だと思います。
XDP20のまとめ
日本のオーディオの名門のDAPです。
フラットで中庸なサウンドで、質が高く値段もそれほど高くないということで個人的にはブームが来るかと思いましたが、それほど売れてないみたいです…外国製品より良いと思うのですが…
ONKYOや、上位機種もかなりいい製品なので、ぜひご検討されてみてはいかがでしょう。
同じパイオニアのイヤホンとの相性は間違いないでしょう。よろしければご覧下さい。
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ご参考になれば嬉しいです。
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