JVC SU-AX01  ヘッドホンアンプ 試聴レビュー  おすすめ高音質ヘッドホンアンプ

2018-12-27

JVC SU-AX01  ポタアン の試聴レビューです。

バランス接続可能な多機能のヘッドホンアンプ、ポタアンですが、アンバランス接続の音もすごく良かったです。

値段以上のパフォーマンスのおすすめヘッドホンアンプです。

JVCの公式サイトはこちらです。

JVC SU-AX01の音質

音色の特徴

全体的な音質としては、美音に仕立て上げる、といった印象です。

音付けは、割と濃いですね。原音再生としての性能特化、というよりは好ましい音に色付けして、不快な音は出しません。

モニターライクとは言い難いですね。正確な原音再生というわけではないので、好みは分かれるかもしれません。

基本的には美音傾向なのですが、深みや艶、色気を重視しています。

音楽全体のバランスもよく、変に強調された音はありません。

音色の特徴としては、透明感があってクリアですが、響きを付加しています。

しかし、うるさいということはなく、自然な感じの色彩豊かな表現が得意です。

デジタル的な、少し薄く感じる音もアナログ的な濃い音になります。生き生きとして音楽性が増しました。

苦手なジャンルは特になく、激しいところは激しく、静かなところは静かに、といった表現の幅は非常に広いです。

ボーカルは引き締まった音で、口が小さくなってボヤケません。

フルバランス構成で、左右独立アンプで増幅され、デジタルとアナログは分けた基盤、外部からの振動を抑えるなどポータブルアンプとは思えない工夫がなされています。

大量生産では難しく、ピュアオーディオでも高級機に使われている技術を存分に使っているので驚きました。

バランス接続

分解能、解像度が格段に上がって音質の基礎スペックが大幅上昇しました。

音場、定位も非常によくなり、イヤホン、ヘッドホンで聴いているとは思えません。奥行きが出て演奏の情景が目に浮かぶようです。

音色は、より透明感が出て、クリアになります。音にメリハリが出て、S/N比もかなりよくなり、音楽の世界に放り込まれます。

音楽のなかの休符、静寂のときの質が素晴らしいです。それによって、音の立ち上がり、消えゆき方がハッキリ分かります。

解像度、分解能が非常に高く、聴こえる音が多いですが、変に混ざったり濁ることはありません。

音の出処がしっかり分かれているので違和感がありません。

ハイインテンシティモード

JVCのアップサンプリング技術です。

使うと、オーディオ的基礎性能だけでなく、表現の仕方が変わってきます。

通常では、やや寒色系でしたが、ハイインテンシティモードを使うと、音が暖色系に変わったように感じます。

聴いていると、その変化は音の解像度が上がることによって、より細かな音の表現が可能になり、音に柔らかさが出たということが分かります。

しかし、音の輪郭は以前よりハッキリ分かります。これで、単なる傾向、表現の違いというだけでなく、単純に音質、性能も上がっていることが分かりました。メリハリが出て明瞭感あるサウンドでもあります。

駆動力が上がった印象で、余裕があるので艶の表現が格段に上昇します。楽器の響きも自然に伸びるので違う音源を聴いているようです。

通常では、やや地味な印象があった高音がキラキラする音も、スーッと伸びる透明感のある音もキレのある音も表現がよくなります。

空間表現力

音場は広く、定位はかっちり決まります。

ハイインテンシティモードを使うと、定位がさらに決まります。かっちり脳内定位して、ボワつくはありません。

バランス接続では、音場が特に良くなる印象があります。奥行きが出ることにより、完成度がとても高く感じます。

音域

基本的にはフラットです。ハイインテンシティモードを使うと、やや高音よりになって音の重心が上の方になります。

高域

ヌケがよく、透明感のあるクリアな音です。上品さがあり、艶のある音でありながら、解像度が高いです。

高域のさらに高音もしっかり出て、よく伸びます。

中域

艶やゴージャス感を感じます。厚みがあり、ボーカルには色気を感じる表現をします。

低域

上品な、安心感のある低音です。リズム感のいい弾む低音もいいですが、深く沈む低音は素晴らしいです。

スピーカーでなく、イヤホンやヘッドホンでここまで沈む低音はあまり聴いたことがありません。

自然な低音なので、存在感があっても違和感はありません。強調もカットも感じないので不満は覚えにくいでしょう。

JVC SU-AX01の機能性

DSD 11,2MHz、PCM 384kHzが可能なD/Aコンバーターを搭載するなど、ハイレゾ音源などCD以外にも対応してつくったと分かります。

ただし、持ち運びしづらい機能性です。据え置きで使うことをおすすめします。

または旅行先の宿や、新幹線や飛行機などゆったり座れるところで使うのがやっとだと思います。

端子

入出力は多彩です。 USB、光端子、同軸デジタル、カメラコネクションキットが不必要なiOS、アナログの入力端子があり、出力はバランス接続、アンバランス接続、両方使えます。

PC接続時に、近い場所にヘッドホンアンプ端子があるのでやや不便ですね。

使い勝手

前述の通り、ポタアンということですが、持ち運びしながらの使用は難しいです。

大きい、重い、ということもありますが、何より発熱量が多いです。

試聴時に、少し使ってみただけで、触りたくなくなるほど熱くなります。

移動しながら、ズボンのポケットに入れながら使うというのは難しいです。

どこか置き場所があるところでの使用をおすすめします。

JVC SU-AX01のまとめ

とても音楽性、芸術性が高いヘッドホンアンプです。

お値段は安いとは言えませんが、これよりも高価格帯の据え置きヘッドホンアンプにも負けない高音質ヘッドホンアンプです。

ただ、ポタアンというよりは据え置きヘッドホンアンプですね…

持ち運びできなくはないのですが、手軽さは薄いです。性能も使い勝手も据え置きヘッドホンアンプと言えます。

外出時には置き場を見つけるか、バッグの中で使うといいと思います。

とにかく一番いい音で聴きたい、バランス接続にも興味がある、という方には特におすすめします。

ぜひ参考にしてください。