audio-technica 密閉型ART-ATH-AZシリーズ 試聴レビュー オーテクのヘッドホン

2018-12-21

オーディオテクニカのヘッドホン、アートモニター ATH A Zシリーズの試聴レビューです。

日本のメーカーなので、海外製の同格のヘッドホンよりやや安いのは嬉しいですね。

まず、密閉型のATH A〇〇Zシリーズのレビューです。〇〇の部分には数字が入ります。数字が大きくなるほど高価格帯の製品となります。

開放型のATH AD〇〇Xシリーズも、レビューを書いています。

オーテクのヘッドホンはいいですね。

こんな方におすすめ

  • オーディオテクニカの密閉型ヘッドホンに興味がある方
  • 広い音場のヘッドホンが欲しい方

密閉型 ATH A〇〇Zシリーズ共通の音質の特徴

ATHシリーズの空間表現力、広い音場

第一の印象として、音場、つまり音楽がなっている空間が広いです。

とても、ヘッドホンで耳を塞がられているとは思えません。まるでヘッドホンがないみたいに、もっと外の遠くの場所から聴こえます。

特にオーケストラなど、広い空間が欲しいときには活躍してくれます。イヤホンやヘッドホンなどでは、本来遠くにいるはずの楽器や声がとても近くから聴こえることがあります。しかし、このヘッドホンですと、遠近感の表現をきちんとしてくれます。オーケストラを俯瞰して見れる、人気の遠くの席から聴いているようです。

その分近くで迫力、臨場感を味わいたいときは不向きかもしれません。ボーカルもほかのイヤホン、ヘッドホンと比べると後ろの方にいます。しかし、ボーカルと楽器隊がうまく調和しているのはとてもレベルが高いと感じました。

また、定位も優秀です。広い音場のなかでも、たくさんの音がどこから出ているのか分かります。ぶれたりはしないので安心して広い音場を楽しめます。

ATHシリーズの音色

解像度は高いです。しかし、見せつけるような高音質ではなく、自然な音で、注意して聴くと解像度の高さに驚く、といった感じです。

自然な音で調和的というのが大きな特徴です。解像度の高さを生かして、表現の幅が広い、色彩豊かな演奏を鳴らします。

このヘッドホン、ATHシリーズには、アートモニターという名がつけられています。

その名の通り、解像度などオーディオ的スペックが高く、また自然な音で、音楽性が豊かな音づくりです。

音域バランス

全体的にフラットで、強調している音域はありません。オーディオテクニカと聞くと低音重視だと勝手に思っていましたが、極めてフラットでした。

高域

解像度は高く、細かい音や小さい音も聴こえますが、違和感のない自然な音です。

高域のさらに上の方の高音も伸びやかです。シンバルの音なども上手く立ち上がって上手く立ち下がります。

クリアで透明感がある音です。やや寒色系の特徴が出ています。

中域

厚みがあって、艶のある音の表現も得意です。

ボーカルがちゃんと生々しさを帯びていて、リアルです。高域よりは暖色系の傾向があると思います。

低域

芯のある、リズム感の良い低音です。今までオーディオテクニカは低音は量で勝負!みたいな印象を持っていました。

しかし、質の良いバランスがとれた低音はあまり強調しすぎることなく、また確かな存在感があります。

キレやスピードがあり、低音の解像度は高いです。空気感の表現も秀逸でした。

密閉型 ATH A〇〇Zシリーズ共通の使い勝手の特徴

付け心地、装着感

頭にクッションがあるので、とても快適に装着することができます。

ヘッドホンの中には、装着していると頭が痛かったり、ズレることが多いものも多いのですが、このヘッドホンはそういう悩みごとはしなくていいと思います。

包み込まれるような装着感は安心して音楽に集中させてくれます。

比較的軽いほうだと思います。

遮音性、音漏れ

密閉型なので、基本的には遮音性能は高いです。

しかし、ノイズキャンセルのような期待を持ってはいけません。街中や人混みで使ったら、普通に外の音は聴こえると思います。が、音楽を楽しむのに邪魔になるほどは入ってきません。

ストレスなく使える範囲ですが、耳栓のような役割は求めないほうが良いでしょう。

音漏れも基本的には大丈夫です。しかし、遮音性が自慢のイヤホンとは違うので爆音で聴いていたら漏れます。

普通の音量ぐらいだと、音漏れはしないので一度どのくらいまで大丈夫か、試してみるなり人に聞くなりすると安心して使えます。

密閉型 ATHシリーズの各モデル、クラスそれぞれのレビュー

密閉型ATHシリーズの、それぞれのレビューです。数字が大きく、下に行けば行くほど高価格帯となって、前述の「ATH A〇〇Zシリーズ共通の」レビューの特徴が色濃く出ます。

 ATH-250AV

安いですね。この音質で、この値段というのはすごいです。

重さはわずか97グラムです。この機種はシアター用途をターゲットにしたものです。

この重さなら、長時間の映画などを見ても全く首は疲れません。

音質は、値段以上の解像度があります。

バランスは良いですが、やや低音重視でしょうか。迫力を求めるならとてもいいヘッドホンです。

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ATH-A500Z

ここから、上位機種の技術が存分に使われるようになります。

基本的にバランスよく、メリハリと落ち着きを持っていて上質な音楽を鳴らします。

上位機種より高音が弱いように感じました。とは言っても、前モデルの500xよりは、よく出てよく伸びます。

高音のが控えめな分、キンキン、シャリシャリしたりはしないので、安心して使えます。

得意な音域は中域です。ボーカルの表現力に長けたヘッドホンです。

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ATH-A900Z

全体的には暖色系の音です。癖がなく、自然な音なので、長期に渡って使っていけそうなヘッドホンです。

高域は透明感があってよく伸びます。

低音にパワーを感じました。迫力重視、というほどではないですが、低音の量感はけっこうあります。

空間表現力もなかなか高いです。

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ATH-A1000Z

音場が一気に広くなります。上位機種のATH-2000Zと遜色ないでしょう。

解像度はかなり高いです。自然なバランスで音楽性が豊かで、色彩感がでます。

全体的に中庸に近づき、マイルドで音と音の移り変わりが滑らかです。

やや低域よりで、音の重心が下の方に感じます。

高域は音の粒子まで分かるほどですが、シャリつかず、自然な透明感のあってスーッと伸びる音がいいですね。。

中域は、ボーカルがやや前に出てきて聴きやすいです。

低域は表現の幅が増えました。リズム感の良い、弾むような低音が特徴的ですが、深く低域さらに低音までしっかり沈みます。

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ATH-A2000Z

解像度がかなり高く、音にキレがでて、ボーカルに艶が出てきます。音場もさらに大きくなりました。

そして、定位感が大幅に上昇します。

ATH-1000Zと比べると、音の重心が上がり、やや高域よりに感じますが、フラットといえる範囲です。

低域も、ATH-1000Zと比べると出ていないように感じますが、少なすぎるということはなく、ちょうどいいです。

芯がある低音はスピード感があり、解像度が高いです。

高域はシンバルなどの金属系の楽器の響きが秀逸です。かなり上のほうまで伸びて、自然な音の消え方をします。

能率は悪くはないですが、このクラスまでくるとアンプにもこだわったほうが良いと思います。

walkman Aシリーズでは、ATH-1000Zとの大きな差異は感じませんでしたが、良いアンプを使うと性能をさらに発揮してくれます。

ART-ATHシリーズは音色として中庸なので、お好みの音のアンプをお使いください。

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密閉型 ATH A〇〇Zシリーズのまとめ

ATH A〇〇Zシリーズはどれも価格以上のパフォーマンスをしてくれます。

全体的に中庸的で、解像度が高く、音楽性の表現が得意なので、多くの方にオススメできる万人受けするヘッドホンです。

密閉型のヘッドホンでありながら、こんなにも音場、空間が広いヘッドホンは他にはないでしょう。

前シリーズのA-Xシリーズよりも低音が改良されて、バランスが良くなったように感じました。

アートモニターという名にふさわしい、芸術性と、オーディオ的スペックの高さが両立されているヘッドホンです。

ぜひ参考にしてください。

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開放型のATH-ADXシリーズもレビューを書いています。よろしかったらご覧ください。

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